SIerエンジニアからWebエンジニアに転職する方法とは？必要なスキルやコツはこれ！｜エンジニアの教科書

SIerエンジニアとは

SIerエンジニアとは、プロジェクトマネージャーの下で、クライアントから受注したシステムの設計実装を主に行うエンジニアのことを言います。

例えば、銀行のシステムや、工場の生産管理システム、企業の会計システムなどITインフラを作成する案件の多くはSIerエンジニアが設計実装したものです。
また、案件によっては数百人から数千人が集まって同時に開発に参加するケースもあります。
それだけの大人数が同時に仕事を進めるため、仕様書や設計書、テスト仕様書などを読み解き、忠実に開発するスキルが重要になります。

Webエンジニアとは

一方、WebエンジニアとはWebサイトを動かすためのシステム開発や、Webサービスに必要なアプリ開発などを主に担当する職業です。
SIerエンジニアに比べて少人数でのプロジェクトとなるケースが多く、また納期も比較的短いという特徴があります。

また、開発開始の時点で仕様が定まっていないケースも多々あるため、臨機応変な対応が求められることもあります。
そのため、仕様書とモニターを交互に見ながら作業を進めるだけでなく、メンバー間でのミーティングや、口頭でのやり取りなどコミュニケーションスキルが重視される傾向にあります。

スキル1：サーバーサイドシステムの知識と経験

Webエンジニアとして採用されるためには、当然ですが面接を経る必要があります。
ですが、サーバーサイドシステムの開発経験が無ければ、そもそも書類審査の段階で落とされてしまう可能性が高いでしょう。

そのため、サーバーサイドの開発経験が無いのなら、まずは何かしらの手段を用いてサーバーサイドの開発経験を積むべきです。

例えば、自社内でサーバーサイドの開発経験を積ませてもらうのでもいいですし、サーバーサイドの開発に携わることができる企業への転職を視野に入れるなどしてみましょう。

転職をするのであれば、サーバーサイドエンジニアとしてはまったく評価されないところからキャリアをスタートさせることにもなる覚悟を持っておきましょう。
あなたがSIerエンジニアとして高度なスキルを有していても、です。
なぜならSIerエンジニアとサーバーサイドエンジニアの業務内容が違うからです。

転職には苦労するかもしれませんが、Webエンジニアへの転職には必要な経験、スキルを学ぶためには必要な工程となります。

スキル2：アジャイル型開発への理解と経験

始めから完成している仕様書をもとに設計を行うSIerエンジニアと違い、Webエンジニアの仕事では開発途中に仕様が追加されたり、変更されたりということが多々あります。

場合によっては、仮で作ったWebサイトをリリースしてみて、ユーザーの反応を見ながら機能の追加や修正を繰り返し、完成度を高めていくということもあります。

IT業界では、そういった開発方法のことをアジャイル型開発と呼びます。

SIerエンジニアからWebエンジニアへ転職した人の多くは、まず開発開始の段階で仕様書が確定していないことに驚くものです。
ですが、最初から“そういうもの”だと理解してプロジェクトに参加すれば、困惑することも少ないでしょう。

Webエンジニアへの転向を目指すのなら、アジャイル型開発に慣れておくことをおススメします。

スキル3：プログラミング以外の知識やスキル

Webエンジニアの主な仕事は、Webサイトを動かすためのプログラムを書くことです。
しかし、プロジェクトの内容によってはその他の業務を任される場合もあります。

例えば、Webディレクターとエンジニアの2人だけで開発を進めるプロジェクトがあったとしましょう。
信じられないかもしれませんが、Webエンジニアがアサインされるプロジェクトではそういったことも稀にあります。

そういったプロジェクトでは、WebディレクターがPowerPointなどで作った仕様書をもとに、WebエンジニアがHTMLコーディングを任されます。

今の時代、プログラミングだけしか出来ないWebエンジニアにあまり大きな需要はありません。
しかし、どのような場面でも対応できるだけの幅広いスキルを有したWebエンジニアは、多くの企業から求められているため、転職もしやすくなります。

スキル4：効率よく貪欲に勉強するスキル

SIerエンジニアに比べると、Webエンジニアには幅広いスキルや知識が求められる傾向にあります。

しかし、だからといって最初から「今後、必要になるスキルや知識」のすべてを学び、身に付けておくことは不可能と言えます。
また、ITの世界は技術の進化が早いため、日々、仕事をしながら次々に新しい技術を学んでいかなければいけません。

そのため、Webエンジニアには毎日の仕事をこなしながら、毎日、新しいスキル・知識の習得を目指して勉強することが求められます。
ただし、時間は無限にあるわけではありません。勉強は効率よく行いましょう。

スキル5：コミュニケーションスキル

他者との対話…つまり、コミュニケーションスキルは、どのような職種であれ大切です。

もちろんSIerエンジニアであっても例外ではありません。
ですが、Webエンジニアとして仕事をしていくうえでのコミュニケーションスキルの重要性は、SIerエンジニアのそれよりも高いと思ってください。

先にも解説したように、Webエンジニアは仕様書や設計書が不完全な状態で、開発を進めなければいけない場面も多いため、頻繁にミーティングやチームのメンバーとの相談が発生します。
コミュニケーションスキルが不足していると、プロジェクトの遅延や失敗にも結び付きかねません。

事前の企業研究は徹底的に

Webエンジニアへの転職に限った話ではありませんが、転職希望先の企業や業界について調べることは転職活動の基本です。
給与や年間休日数などの条件だけを基準に転職先を決めてしまい、後悔した、すぐに辞めてしまったというケースも決して少なくはありません。

転職先での業務内容は自分のスキルや性格に合っているのか、またその企業の強みや力を入れている事業は何かをしっかりと調べましょう。
そして、自分が「この企業で働きたい」と思える企業への転職を目指してください。

スキルや実績を証明できるポートフォリオの準備

Webエンジニアの転職において、これまでの実績やあなたの持つスキル・知識の証明となるポートフォリオは非常に重要となります。
あなたがデザインし、制作したWebサイトやアプリがあるのなら、採用担当者がすぐに閲覧できる状態にして持参しましょう。

場合によっては、応募の時点で履歴書と一緒にポートフォリオの提出を求められることもあります。

書類審査で落とされることが無いよう、ポートフォリオや履歴書は力を入れて作りましょう。

SIerエンジニアとしての経験や自身の強みをアピールする

SIerエンジニアからWebエンジニアへ転職をするのなら、前職で培った経験やスキルを活かさない手はありません。
SIerエンジニアとWebエンジニアでは、もちろん業務内容は違いますが、それでも転職の際プラスになる共通点はあるはずです。

面接では、元SIerエンジニアとしての経験・スキルをどう仕事で活かしていくのかを踏まえた企業研究をもとに、明確なビジョンを語りましょう。
具体的な今後のビジョンを語るほど、採用担当者からの印象はきっと良くなっていくはずです。